こんにちは。AI Native の田中です。最近、開発体制に大きな変化がありました。先週リリースされたGoogle Gemini 3.0 Proを設計・プランニングフェーズに導入し、AIツールの使い分けを再構築しています。本記事では、モデルごとの使い分けの最新トレンドと、クライアント4案件+1SaaSを並列開発しながら感じている設計の重要性について共有します。
モデル使い分けの最新トレンド
2025年に入り、AI開発ツールの状況は大きく変わりました。かつては「どのAIツールを使うか」という選択でしたが、今は「どのフェーズで、どのモデルを、どう組み込むか」という設計の問題になっています。
私自身、AIネイティブな開発を実践する中で、ツールを「使う」段階から「運用設計する」段階へ移行しました。その過程で、Gemini 3.0 Proが設計フェーズで非常に優秀であることに気づきました。
なぜモデル選択が重要になったのか
各モデルには明確な得意領域があります。設計・プランニングに強いモデル、実装速度が速いモデル、探索・検討に優れたモデル——これらを適切に配置することで、開発体験が大きく変わります。AIワークフローの設計が、プロジェクトの成否を左右する時代になりました。
Gemini 3.0 Proの設計力が優れている理由
Gemini 3.0 Proは、Googleが先週リリースした最新のモデルです。私は主に設計・プランニングフェーズで活用しており、実装計画の立案に大きな効果を感じています。
設計フェーズでの具体的な強み
- 実装計画の立案能力:複雑な要件を整理し、実装ステップを明確化する力がある
- アーキテクチャ設計の深さ:システム全体を俯瞰した設計提案ができる
- トレードオフ分析:複数のアプローチを比較し、判断材料を提示してくれる
特に、プロジェクト初期の設計フェーズでGemini 3.0 Proを使うことで、後続の実装フェーズがスムーズに進むようになりました。設計の質が上がると、実装時の迷いが減り、手戻りも少なくなります。
情報の正確性・ファクトチェック精度の高さ
Gemini 3.0 Proを使っていて特に感じるのは、情報の正確性のレベルが非常に高い点です。ファクトチェックが必要そうなテキストや情報でも、かなりの精度で正確な内容を出力してくれます。
これまでのAIモデルでは、出力された情報を人間がファクトチェックする工程が必須でした。しかしGemini 3.0 Proでは、ファクトチェックを別途実装したり、人間による確認が必要になる場面が明らかに減ったという実感があります。
設計フェーズでは、技術選定やアーキテクチャの判断に正確な情報が必要です。誤った前提で設計を進めると、後から大きな手戻りが発生します。Gemini 3.0 Proの情報精度の高さは、設計の信頼性向上に直結しています。
💡 補足: Gemini 3.0 Proの詳細な使い方やプロンプト設計については、別記事で詳しく書く予定です。
現在のツール構成:Cursor × Claude Code × Gemini
現在、私は以下の構成でAI開発ツールを運用しています。
3つのツール/モデルの役割分担
- Gemini 3.0 Pro:設計・プランニングフェーズで使用。実装計画の立案と要件整理。
- Cursor(200ドル/月プラン):実装フェーズで使用。差分編集と高速な実装。
- Claude Code(200ドル/月プラン):探索・検討フェーズで使用。要件の壁打ちとドキュメント化。
Cursorは200ドルプランにアップデートし、Claude Code 200ドルと並列で利用する形になっています。月額400ドルのコストは決して安くありませんが、開発効率の向上を考えると十分に投資対効果があると感じています。
💡 関連記事: Cursor vs Claude Codeの詳細な使い分けについては、クライアントワークにおけるCursor vs Claude Codeの使い分けで詳しく解説しています。また、開発組織での導入パターンは開発組織でのAI活用もご参照ください。
コスト効率とマネジメントコストの低減
コストの面に関しては少しずつ膨らんできている部分は気になるところですが、それでもエンジニアに依頼するよりもかなりコストを削減できているという実感があります。
マネジメントコストの低さ
特に大きいのは、人に向き合う・指示を出すという細かいマネジメントコストが低い点です。AIツールは24時間対応可能で、こちらの意図を繰り返し説明する必要がありません。フィードバックサイクルが速く、やりやすい開発ができています。
もちろん、AIツールにも限界はあります。しかし、ツールの特性を理解し、適切なフェーズで適切なモデルを使うことで、人間とAIの協働が効率的になります。これはAI Native開発哲学の核心でもあります。
クライアント4案件+1SaaS並列開発の実体験
今現状だと、クライアント4案件を同時並行で回しながら、新しいSaaSの開発やContgenのオンボーディング・カスタマーサクセスを進めています。
コンテキストスイッチへの対応
こういった並列したコンテキストスイッチがかなり必要な状況でも、開発のスピードを上げられています。その理由は、開発の設計からどのようにスピードを持って実装するかという仕組みに投資を始めているからです。
ワークフローの最適化、ツールの使い分けルールの明確化、そしてGemini 3.0 Proによる設計フェーズの効率化——これらが組み合わさることで、並列開発が可能になっています。
業務委託エンジニア採用と組織拡大
また新たに業務委託エンジニアを2名採用し、3名目を採用する予定です。現場案件も増えてきていることと、新規案件のアライアンスがうまくいき始めそうであることが、採用が進んでいる要因です。
AI活用と人材拡大の両輪
AI活用と人材拡大は相反するものではありません。むしろ、AIで効率化できる部分を効率化し、人間にしかできない価値創造に人材を集中させるという両輪で進めています。
開発プロセスの効率化によって生まれた余力を、より高度な判断や創造的な仕事に振り向ける——これがCAIOサービスでも提唱しているAI時代の組織設計です。
まとめ:設計の重要性とモデル選択
少しブログのようになってしまいましたが、開発体制が徐々に拡大してきていることと、設計の重要性というところで、モデル1つでかなり変わっていくなぁと実感しています。
今後の展望
Gemini 3.0 Proの詳細な活用法については、別記事で深掘りする予定です。プロンプト設計やワークフローへの組み込み方など、より実践的な内容を共有していきます。
モデルの進化は速く、今の最適解が数ヶ月後には変わっている可能性もあります。しかし、「どのフェーズで、どのモデルを使うか」を意識的に設計するというアプローチ自体は、今後も変わらない重要なスキルになるでしょう。
本記事が、AI開発ツールの使い分けを検討している方の参考になれば幸いです。
💡 関連記事: Claude Code、Cursor Agent、Codex CLIの詳細比較については、Claude Code比較記事をご覧ください。
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