AI Native の開発哲学:AIと人間の共創による価値創造

田中 慎

田中 慎

CEO / PM / Vibe Coder

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AI Native の開発哲学:AIと人間の共創による価値創造

2023年、世界が変わった瞬間

2023年、ChatGPTが世に出た瞬間を、私は今でも鮮明に覚えています。

「これは世界を変える」

初めてChatGPTと対話したとき、背筋がゾクッとしました。AIが誰にでも身近なものになった瞬間でした。今では当たり前のように使っているAIですが、たった2年前、その変化は突然訪れたのです。

そこから世界は加速度的に変わっていきました。2024年にCursorと出会い、開発体験が一変しました。CursorはSlackを超えて、史上最速で成長するスタートアップの一つになりました。単なるエディターではありません。開発者だけでなく、誰もがコードを書ける世界を実現しました。これまでの「プログラミングは専門家のもの」という常識を、根底から覆したのです。

Cursor - The AI Code Editor

Build software faster in an editor designed for pair-programming with AI

公式サイトを見る →

そして2025年6月、Claude Codeがリリースされました。AIとの対話を通じてコードを書くという新しい開発スタイルが、さらに進化した瞬間でした。Claude Codeの登場により、アイデアから実装までのプロセスがより直感的で、より創造的なものになりました。

🤖

Claude Code - AI Programming Assistant

AIとの対話を通じて高品質なコードを生成する開発支援ツール

公式サイトを見る →

なぜ「AI Native」という名前にしたのか

「AIで何をやるか」を考えることは、もはや当たり前になりました。

しかし、私が本当に重要だと考えているのは、その先です。

  • これから世界がどう変わっていくのか?
  • その変化に対して、会社・組織・人はどう適応していくのか?
  • AIと人間が共に何を創造していけるのか?

これらの問いに向き合い、自ら答えを作っていく。それが「AI Native」という名前に込めた想いです。

AI Nativeは、今後のスタンダードを自分たちで考え、全ての仕事においてAI活用を当たり前に行い、どんどんチャレンジしていく。そんな「実験場」であり「創造の箱」でありたいと考えています。

私自身、もうAIなしでは仕事ができません。朝起きてClaude Codeで要件定義を作成し、設計から実装まで対話的に進め、Cursorでコードを洗練させ、ChatGPTと壁打ちしながら戦略を練る。この新しい働き方が、どれだけワクワクするか。テクノロジー・プロダクトでどう世界・社会を豊かにできるのか。その可能性に、心が躍ります。

現状の開発の進め方とスタンス

開発コストが10分の1になった世界

Claude CodeとCursorを使った開発が、私たちの「当たり前」になっています。

具体例を挙げましょう。以前なら3人のエンジニアが2週間かけて作っていた機能を、今では1人が2日で実装できます。これは誇張ではありません。実際の数字です。

  • 認証システムの実装。 3日 → 3時間
  • API設計とドキュメント作成。 1週間 → 1日
  • フロントエンド画面の実装。 2週間 → 2日

なぜこれが可能になったのか?

Claude Codeで初期設計や要件定義から始めます。「こんな機能を作りたい」と伝えると、アーキテクチャの提案、データベース設計、API仕様、そして実装コードまで、体系的に提案してくれます。要件定義から実装までの全プロセスを、AIとの対話で進められるようになったのです。

横展開とナレッジの蓄積が鍵

しかし、ただAIツールを使えば良いわけではありません。

私たちが重視しているのは。

  1. 要件定義から実装までの一貫性。 Claude Codeで作成した要件定義を基に、設計・実装まで一貫した開発フロー
  2. 自社ナレッジの蓄積。 要件定義のテンプレート化、設計パターンの共有
  3. 対話的な品質向上。 AIとの対話を通じて、要件の抜け漏れを防ぎ、より良い設計を追求

例えば、「AI Native式要件定義書」というテンプレートをClaude Codeと共に作成し、チーム全体で活用しています。これにより、誰でも高品質な要件定義から開発をスタートできます。

スピードこそが最大の武器

「スピード感を持って実行しなければ、競争に勝つことはできない」

これは私の信念です。

AIの進化は日進月歩。今日の最新技術は、明日には古くなっているかもしれません。だからこそ、誰よりも早く新しいツールを試し、誰よりも多くの実験を重ねる必要があります。

先週も、クライアント・パートナー企業と会話しながらこういうAI SaaSが必要なのでは、と考えて、1週間で初期開発を進めていました。この圧倒的なスピード感が、AI Native の強みです。

AI活用における倫理的配慮

AI活用を推進する上で、私たちは以下の倫理的原則を重視しています。

  1. 透明性: AIの使用範囲と限界を明確にする
  2. 人間中心: 最終的な意思決定は必ず人間が行う
  3. プライバシー保護: 顧客データのAI学習への使用は厳格に管理
  4. 公平性: AIバイアスの継続的な監視と改善

まとめと今後について

AIと人間の共創による開発は、まだ発展途上の分野です。しかし、私たちの実践を通じて、その可能性は無限大であることを確信しています。

今後は、以下の領域でさらなる進化を目指します。

  • 自律的なAIエージェント: より高度な判断ができるAIパートナー
  • マルチモーダルAI: テキスト、画像、音声を統合した開発支援
  • 予測的開発: AIによる潜在的な問題の事前検出

AI Nativeでは、このような開発哲学に共感し、共に新しい価値を創造していく仲間を募集しています。AIと人間が協力して、これまでにない革新的なプロダクトを生み出すことに興味がある方は、ぜひ採用情報をご覧ください。


本記事で紹介した開発手法やツールについて、より詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。また、AI活用に関するコンサルティングサービスも提供しています。

執筆者

田中 慎

田中 慎

CEO / PM / Vibe Coder

AI Nativeの創業者。AIと人間の共創による新しい価値創造を目指しています。