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Dify MCP連携完全ガイド|Claude Desktop × Dify で AIワークフローを自動化

2025年12月3日
15分で読了
中級
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MCP(Model Context Protocol)は、Anthropicが2024年末に発表した革新的なオープンプロトコルです。AIアプリケーションと外部ツール・データソースを標準化された方法で接続し、AIエージェントの可能性を大幅に広げます。本ガイドでは、DifyとMCPを連携させる方法を、基礎から実践まで徹底解説します。

この記事でわかること

  • MCPの基本概念とDifyとの連携メリット
  • DifyでMCPを使う3つの方法(プラグイン別解説)
  • Claude DesktopからDifyワークフローを呼び出す設定手順
  • 7,000以上の外部ツールとの連携方法
  • トラブルシューティングとベストプラクティス

📘 公式ドキュメント: Dify MCP公開ガイド(日本語)

MCPとは?AIエージェントの新しい標準プロトコル

MCP(Model Context Protocol)は、AIアプリケーションが外部のデータソースやツールと連携するためのオープンな標準プロトコルです。「AIのUSB-Cポート」とも呼ばれ、一度対応すればあらゆるMCP対応ツールとシームレスに接続できます。

MCPのアーキテクチャ

MCPはクライアント・サーバー型のアーキテクチャを採用しています。

  • MCPホスト:AIアプリケーション(Claude Desktop、Cursor、Difyなど)
  • MCPクライアント:ホスト内でサーバーとの通信を担当
  • MCPサーバー:外部ツールやデータソースへのアクセスを提供

MCPが提供する3つの機能

  1. Tools(ツール):外部APIやサービスの実行機能
  2. Resources(リソース):ファイルやデータベースへのアクセス
  3. Prompts(プロンプト):再利用可能なプロンプトテンプレート

なぜMCPが重要なのか

従来、AIアプリケーションを外部ツールと連携させるには、各ツールごとにカスタム統合を開発する必要がありました。MCPにより、一度の対応で多数のツールと接続できるようになり、開発効率が飛躍的に向上します。

Difyニュースでも報じられている通り、2025年は「AIエージェントの年」と称され、MCPはその中核技術として注目されています。

DifyでMCPを使う3つの方法

Difyでは、以下の3つのプラグインを使ってMCP連携を実現できます。それぞれ用途が異なるため、目的に応じて選択しましょう。

1. MCP SSEプラグイン(外部ツール呼び出し)

MCP SSEプラグインは、HTTPとSSE(Server-Sent Events)を使って複数のMCPサーバーと通信します。Difyエージェントが外部ツールを動的に検出・呼び出しできるようになります。

こんな時に使う

  • Zapier、Notion、Slackなど外部サービスをDifyから操作したい
  • 複数のMCPサーバーを同時に利用したい
  • エージェントに自律的なツール選択をさせたい

2. MCP Agent Strategyプラグイン(ワークフロー統合)

MCP Agent Strategyプラグインは、DifyワークフローのAgentノードにMCP機能を直接統合します。エージェントが自律的に外部ツールを選択・実行する仕組みを構築できます。

こんな時に使う

  • ワークフロー内でMCPツールを条件付きで使いたい
  • Function Calling形式でツールを呼び出したい
  • より細かい制御が必要な場合

3. mcp-serverプラグイン(Difyを公開)

mcp-serverプラグインは、Difyアプリ自体をMCPサーバーとして外部に公開します。Claude Desktop、Cursor、Clineなどから直接Difyワークフローを呼び出せるようになります。

こんな時に使う

  • Claude DesktopからDifyワークフローを使いたい
  • CursorなどのIDEからDifyを呼び出したい
  • 自社のDifyアプリを他システムに連携したい

MCP SSEプラグインの設定手順

最も汎用的なMCP SSEプラグインの設定方法を解説します。この方法で、Zapierの7,000以上のツールを含む多数の外部サービスと連携できます。

Step 1: プラグインのインストール

  1. Dify CloudまたはセルフホストのDifyにログイン
  2. 右上の「プラグイン」アイコンをクリック
  3. 「Marketplace」タブを選択
  4. 検索ボックスで「MCP SSE」を検索
  5. 「インストール」ボタンをクリック

Step 2: エージェントアプリの作成

  1. 「アプリを作成」「最初から作成」を選択
  2. アプリタイプで「チャットフロー」を選択
  3. エージェントノードを追加
  4. エージェンティック戦略で「MCP Agent」を選択

Step 3: MCPサーバーの設定

MCPサーバーのエンドポイントURLを設定します。例えば、Zapier MCPを使う場合:

https://actions.zapier.com/mcp/<YOUR_API_KEY>/sse

各MCPサーバーのエンドポイントは、サービス提供元のドキュメントを参照してください。

DifyアプリをMCPサーバーとして公開する方法

mcp-serverプラグインを使うと、Difyで作成したアプリをMCPサーバーとして公開できます。Claude DesktopやCursorから直接Difyワークフローを呼び出せるようになります。

プラグインのインストールと設定

  1. Dify Marketplaceから「mcp-server」プラグインをインストール
  2. プラグイン設定画面でエンドポイント名を設定
  3. 公開するDifyアプリを選択
  4. アプリタイプ(チャット/ワークフロー)を指定
  5. 入力パラメータをJSON形式で定義

Claude Desktopからの接続設定

Claude Desktopの設定ファイル(claude_desktop_config.json)に以下を追加します:

{
  "mcpServers": {
    "dify-workflow": {
      "command": "npx",
      "args": [
        "-y",
        "@anthropic/mcp-server-fetch",
        "https://your-dify-instance.com/mcp/v1/sse"
      ]
    }
  }
}

設定後、Claude Desktopを再起動すると、Difyワークフローがツールとして利用可能になります。

dify-mcp-server(GitHub)の活用

GitHubで公開されているdify-mcp-serverを使うと、より柔軟なMCP連携が可能です。複数のDifyワークフローを一つのMCPサーバーとして公開できます。

インストールと設定

# 環境変数の設定
export DIFY_BASE_URL="https://cloud.dify.ai/v1"
export DIFY_APP_SKS="app-sk1,app-sk2,app-sk3"

またはconfig.yamlファイルで設定:

dify:
  base_url: "https://cloud.dify.ai/v1"
  app_sks:
    - "app-sk-workflow1"
    - "app-sk-workflow2"

DIFY_APP_SKSには、公開したいDifyワークフローのApp Secret Keyをカンマ区切りで指定します。各SKは異なるDifyワークフローに対応します。

実践的な活用例

例1: Zapier × Difyで業務自動化

Zapier MCPを使うと、7,000以上のアプリ連携がDifyエージェントから利用可能になります。

  • Slackにメッセージ送信
  • Google Sheetsへのデータ追記
  • Notionページの作成・更新
  • メール送信(Gmail、Outlook)
  • カレンダー予定の作成

Dify × Google連携の詳細ガイドも参考にしてください。

例2: Cursor × DifyでAIコーディング強化

CursorからDifyワークフローを呼び出すことで、以下のような高度な開発支援が可能になります:

  • Dify RAGを使った社内ドキュメント検索
  • コードレビューワークフローの自動実行
  • テストケース生成の自動化
  • API仕様書からのコード自動生成

例3: データ分析ワークフロー

Difyのワークフロー機能とMCPを組み合わせることで、複雑なデータ分析パイプラインを構築できます。Web検索、データ取得、分析、レポート作成までを一つのフローで自動化できます。

トラブルシューティング

よくある問題と解決策

問題 原因 解決策
接続エラー エンドポイントURLの誤り URLを再確認、末尾の/sseを確認
認証失敗 APIキーの期限切れ 新しいAPIキーを発行
ツール未検出 プラグイン未インストール MCP SSEプラグインを再インストール
タイムアウト ネットワーク遅延 タイムアウト値を延長

セキュリティのベストプラクティス

セキュリティ上の注意

  • APIキーは環境変数で管理し、コードにハードコードしない
  • 本番環境では内部ネットワークでのみMCPサーバーを公開
  • MCPプロトコルのハンドシェイク時に適切な認証を実装
  • アクセスログを監視し、不正なアクセスを検知

Difyバージョン要件

MCP連携機能を最大限に活用するには、Dify 1.6.0以上が推奨されます。このバージョンで「Built-in Two-Way MCP Support」が導入され、双方向のMCP連携が標準機能となりました。

Dify 1.6.0の新機能

  • DifyアプリからMCP対応外部ツールを呼び出し可能
  • Difyアプリ自体をMCPサーバーとして公開可能
  • 7,000以上の外部ツールとの連携をサポート

よくある質問(FAQ)

Q: MCPとAPIの違いは何ですか?

A: APIは個別のサービスとの通信プロトコルですが、MCPはAIアプリケーションと複数のツール/データソースを接続する標準化されたプロトコルです。一度MCP対応すれば、あらゆるMCP対応ツールと接続できます。

Q: Dify Cloudでもセルフホストでも使えますか?

A: はい、両方で利用可能です。Dify Cloudでは即座にプラグインをインストールできます。セルフホストの場合は、ネットワーク設定に注意が必要です。

Q: 無料で使えますか?

A: Dify自体は無料プランがあり、MCPプラグインも無料で利用できます。ただし、連携先サービス(Zapierなど)の利用料は別途発生する場合があります。

Q: どのLLMモデルでMCPを使えますか?

A: MCPはLLMモデルに依存しません。Difyでサポートされているすべてのモデル(GPT、Claude、Geminiなど)でMCP機能を利用できます。

次のステップ

Dify × MCP連携の基本を理解したら、以下のステップで実践を深めましょう:

  1. シンプルな連携から始める:まずはZapier MCPで1つのツール連携を試す
  2. ワークフローを構築Difyワークフローで複数ツールを組み合わせる
  3. 本番環境に適用:セキュリティを考慮して業務に導入
  4. 継続的に改善Difyニュースで最新情報をキャッチアップ

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